【亭主元気で留守がいい】全一(8 / 14)

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  あの人がいないとダメなんだ。
  どうやらもう一人でいるなんて想像もできなくなってしまったようだが。
  以前はずっとずっと一人でいただけなんだが。
  ただここ2年ほどで一绪に过ごす时间が少し増えただけで、たった数日会えなくなったことだけで、
  もうどうしても我慢できなくなってしまうのとは、なんて滑稽なんだ。
  ひとを駄目にする男だから、あの人は。
  しかし、最近涌き上がってきた不安は、たとえ自分の情けなさもあったにせよ、决して根无草のようなものではないと思う。
  というのは、先週、帰ってくるたびに、あの人はよく元気がなさそうに见えたからだ。
  あれほど疲れていたのだから、最近の数件は絶対に祓除任务ではなかったと确信できる。
  それは祓う仕事からの疲れとはとても见えないが、祓ったれ本舗のせいだと思っていたのだ。だって、「たまにはさー、僕のかっこいい姿を撮られるのは嬉しいけど、毎日めっちゃ撮られたら、どう考えても、絶対クソ退屈だもん!!」とご本人がおっしゃっていたから。
  あれほど静かだったので、心配なのは、ひょっとすると、あの人もちょっと不安を感じているのかもしれないということだ。
  何しろ时间が経つにつれて、例の一〇五大灾难の引き金となった出来事が、また繰り返されようとしているのだから。
  もちろん、あの人はそんなことを口に出すはずもない。
  ちゃんと打ち明けてくれればいいのに。
  きっと抱きしめてあげるから、絶対好きなだけ慰めてあげるから。
  素直にしてくれればいいのに。
  あの人の不幸をきっかけに、堂々と近づけることをこっそり喜んでしまうのは、あまりにも卑劣なことだと思うが。それでもいつも许してくれてありがとう、だいすきだ。
  とにかく、耻ずかしがり屋は元々そういうものなのだ。
  亲密に扱われていたからこそ、かえって耻ずかしくて直视さえできず、思い出したり、かき残したりすることがとてもできなかった。だから、本来ならこれ以上かき続けるつもりはなかったが。正直にいうと、今でもとても耻ずかしくて、なかなかかきづらい気がしている。
  ところが、9月1日にとんでもない出来事が起き、完全に気が変わったのだ。
  一昨昨日の夕方。半信半疑のまま、あの人に电话をかけてみた。
  信じられないことに、コール音が鸣り始めてすぐ、すんなりと出てもらえたのだ。
  予想通り、相変わらず「ん、ん」と、相手は适当に相槌を打ってくれた。多分、また话しにくい状况だったのだろうが。
  しかし、あの人、电话口で、口ずさんでいたのだ。
  なんとなく闻き覚えがある気がしてきた。头の中でメロディーを探してみると、すぐに思い出し、つい半フレーズほど口ずさんでしまったが。そのときこそ、やっと曲名に気づいた。
  「それ、『テイク ミー バック』かしら。」と寻ねてみた。
  相手は「うん」と返事してくれた。
  「…じゃ、『テイク ミー バック』ってどういうつもり???」と繰り返して确认し、「迎えに行かせるってこと?」
  すると、向こうからかすかな笑い声が闻こえ、少し间を置いて、「うん!」とはっきり返事してくれたのだ。
  「ゆっくりでね」と言ってくれてから、あの人は电话を切った。 ↑返回顶部↑

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